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2023.05.02東京都美術館「マティス展」内覧会レポート

東京都美術館で4月27日(木)より、日本では約20年ぶりとなるマティス展が開幕しました。マティスはフォーヴィスムの巨匠として知られている、20世紀美術の巨匠として知られている画家です。その内覧会の模様をレポートします。

 

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ロザリオ礼拝堂 堂内 ©NHK

 

この展覧会は、世界最大規模のマティス・コレクションを所蔵するポンピドゥー・センターの協力を得て開催される約20年ぶりの大規模回顧展。前回、2004年の国立西洋美術館で開催された展覧会にいらっしゃるかもしれません。

 

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展示風景より 左《赤の大きな室内》1948年 右《マグノリアのある静物》1941年 いずれもポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵

 

展覧会は、生涯にわたり色と光の魅力を探求し続けたマティスの生涯を、年代順に8章構成で追っていきます。まず、1章「フォーヴィスムに向かって 1895ー1909」は、画家になることを決意し、パリ国立美術学校(ボザール)で、恩師ギュスターヴ・モローの教えを受けたマティスの画風の変遷をたどっていきます。

 

《読書する女性》はマティスの作品で国家買い上げとなった2番目の作品。

 

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《読書する女性》1895年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

 

そして、《豪奢、静寂、逸楽》は日本初公開作品です。2つの作品は大きく作風が異なっています。わずか10年弱の間に、マティスは自分の画風を大きく確立していったことがわかります。

 

マティスは《豪奢、静寂、逸楽》を描いた1904年に、筆触分割技法で知られる画家、ポール・シニャックの招きでサントロペを訪問しています。この作品はシニャックに影響を受け、筆触分割技法を試みたものです。そして、この作品を描いた翌年の1905年、マティスはサロン・ドートンヌで激しい色彩の絵を発表しました。その作品を批判する評論家の「野獣のようだ」という言葉からフォービスムという名称が生まれました。

 

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《豪奢、静寂、逸楽》1904年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵

 

画家としてのアイデンティティを確立し、フォーヴ(野獣)と呼ばれるまでに激しい色彩と筆致を会得したマティスですが、次第に平面的で、装飾的な画面構成を取るようになっていきます。

 

2章「ラディカルな探求の時代 1914ー1918」は第一次世界大戦中のマティスがテーマの章です。息子など身近な人間が徴兵され、孤独を感じたマティスは、《金魚鉢のある室内》をはじめ、窓を描く作品が多く描き始めます。

 

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《金魚鉢のある室内》1914年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵

 

《コリウールのフランス窓》は、第一次世界大戦勃発の翌月に描かれた作品。画面中央が黒く塗りつぶされて、窓が閉じているのか開いているのかがわからない、謎めいた作品です。

 

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《コリウールのフランス窓》1914年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵

 

3章「並行する探究─ 彫刻と絵画 1913ー1930」は、マティスが手掛けた彫刻のみが展示されます。《背中I?IV》は、左端から右端の作品まで20年以上の月日をかけて制作された大作。時代を経るにつれて、対象が単純化されていきます。この4点の作品は、マティスの転機となる絵画作品が制作された時期に、それぞれ制作されていることが判明しています。

 

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《背中Ⅰ-Ⅳ》1909~1930年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵

 

1918年、マティスは、活動拠点をパリから南仏のニースに移しました。環境を大きく変えたマティスはそれまでよりも小さなカンヴァスを用い、そして多作になるなど、制作スタイルも大きく変化します。4章「人物画と室内画 1918?1929」では、ニース時代の人物画や室内画、ドローイングを取り上げていきます。

 

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《赤いキュロットのオダリスク》1921年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵

 

続く、5章「広がりと実験 1930-1937」では、マティスの助手を務めたリディア・リデレクトルスカヤを描いた作品を中心に紹介します。リディア・デレクトルスカヤは《夢》のモデルをつとめた後マティスのお気に入りモデルとなり、晩年までマティスに付き添っていた女性です。

 

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《夢》1935年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵

 

第二次世界大戦がはじまると、マティスはニースから離れた町、ヴァンスへ居を移します。6章「ニースからヴァンスへ 1938ー1948」で展開されるヴァンス時代のマティスは「室内画シリーズ」と銘打った室内画を多く手掛けています。そのなかでも《赤の大きな室内》は、シリーズの締めくくりとなる作品として知られています。

 

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《赤の大きな室内》1948年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵

 

1941年、大病を克服したマティスですが、あまり絵筆を握れず、以降ベッド上でハサミを自由にあやつり、切り紙絵を制作するようになります。7章「切り紙絵と最晩年の作品 1931ー1954」では、20点の切り紙絵をもとににした画文集『ジャズ』や、《オセアニア、空》。《オセアニア、空》など、鮮やかな色彩と自由なフォルムの作品が並びます。

 

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「ジャズ」シリーズより1947年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵

 

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展示風景より左《オセアニア、空》 右《オセアニア、海》1948年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵

 

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展示風景より左《上祭服[正面のマケット、実現せず]》 右《ヴァンス礼拝堂、ファサード円形装飾「聖母子」(デッサン)》

 

そして、展覧会の最後でクライマックスとなるのが8章「ヴァンス・ロザリオ礼拝堂 1948ー1951」です。マティスはヴァンスにある小さな礼拝堂のために、建築や装飾、家具、衣装などを用いて作り上げました。この章では撮り下ろした4Kの映像とともに、マティスが残したドローイングなどを展示していきます。ヴァンス礼拝堂はステンドグラスの光が照らす空間が見どころです。その光をじっくり堪能しましょう。

 

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ロザリオ礼拝堂 堂内 ©NHK

 

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ロザリオ礼拝堂 堂内 ©NHK

 

展覧会が終わったあとは、お楽しみのミュージアムショップへ! 今回もかわいらしい展覧会限定グッズがたっぷり販売されています。こちらはマティスの絵画をモチーフに浸かったカフェオレコーヒーバッグ。

 

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「カフェオレコーヒーバッグ」390円(税込)

 

また、マティス展の絵葉書とレモンケーキがセットになった「レモンケーキとポストカードのセット」はお土産にぴったり。レモンケーキは6種類あり、選ぶのに迷います。

 

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「レモンケーキとポストカードのセット」360円~430円(税込)

 

この他にも、マグカップやTシャツ、トートバッグなどオリジナルグッズは盛りだくさん。展覧会とはまた異なる楽しい時間が過ごせそうです。

 

なお、マティス展のチケットは日時指定予約制です。事前に予約をした上で訪れましょう!

 

マティス展 Henri Matisse: The Path to Color
会期 2023年4月27日(木)~ 8月20日(日)
開室時間  9:30~17:30(金曜は20:00まで) ※入館は閉室の30分前まで
休室日 月曜 ※7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開室
会場 東京都美術館 企画展示室
観覧料(税込) 一般2,200円、大学生・専門学校生1,300円、65歳以上1,500円 ※日時指定制 ※小学生・中学生・高校生は入場無料
問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
※本展は日時指定制です。詳細は展覧会公式サイトをご確認ください
https://matisse2023.exhibit.jp/(外部サイトへ移動します)

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