2022.05.12国立西洋美術館が開館当時の姿に近づけてリニューアルオープン!

2020年10月より休館していた国立西洋美術館が、4月9日(土)より約1年半ぶりに再開館しました。開館当時の姿に近づけ、設計者であるル・コルビュジエの思い描いた美術館像をイメージしやすくなったそうです。

nmwa_renewal_01.jpg国立西洋美術館 外観

1959年に完成した国立西洋美術館は、20世紀建築や都市計画に多大な影響を与えたル・コルビュジエの設計です。彼の建築は、世界各地にある16のル・コルビュジエ設計の建築と合わせて「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」として2016年に世界遺産に登録されました。

nmwa_renewal_02.jpgエミール=アントワーヌ・ブールデル《弓をひくヘラクレス》1909年(原型)

今回のリニューアルにおいて一番の注目ポイントは前庭。植栽を最小限にし、外の道路の境界線上に透過性のある柵も当初の状態に近づけ大きな開放感を作り出しました。

また、《考える人》や《カレーの市民》などの野外彫刻を当初置かれていた配置に近づけています。あみだくじのような床面の目地は、ル・コルビュジエが人間の身長を基準にして編み出した尺度「モデュロール」に基づいた寸法で作られたものです。

ちなみに、この床の目地は、ル・コルビュジエの弟子であり、国立西洋美術館新館の設計を担当した前川國男が手掛けた東京文化会館の窓のサッシの割付と幅や位置が呼応しているのだそう。

nmwa_renewal_03.jpgオーギュスト・ロダン《考える人(拡大作)》 1881~82年(原型)、1902年~03年(拡大)、1926年(鋳造) 松方コレクション

nmwa_renewal_01.jpg国立西洋美術館 外観 床面の長方形は「モデュロール」に基づいた寸法で作られている

nmwa_renewal_04.jpg床面には、鑑賞者を誘導するためのラインも引かれている

そして、リニューアルオープンにあたり、これまで有料だった本館中央の吹き抜け空間「19世紀ホール」は、当面の間は無料で開放されます。建物を支える柱と梁、ゆるやかなスロープなど、ル・コルビュジエの作品のエッセンスが詰まった場所を楽しみましょう。三角形の天窓からは、優しい光が降り注いでいます。

nmwa_renewal_05.jpg19世紀ホール

nmwa_renewal_06.jpg19世紀ホール天井

19世紀ホールを起点に、常設展がはじまります。

nmwa_renewal_07.jpg常設展 展示風景

国立西洋美術館は、第二次世界大戦中にフランスに接収されていた実業家・松方幸次郎のコレクションの日本返還にともなって生まれたもの。常設展は、この松方コレクションの他、新収蔵作品やピックアップ作品を交えた展示です。

nmwa_renewal_08.jpg右 ピエール=オーギュスト・ルノワール《横たわる浴女》1906年 左 クロード・モネ《睡蓮、柳の反映》 1916年 松方幸次郎氏御遺族より寄贈(旧松方コレクション)

モネの《睡蓮、柳の反映》は、画面の上半分が大きく損傷を受けている作品。第二次世界大戦中の疎開時に強いダメージを受け、あまりの破損の大きさにフランス政府の返還リストに含まれず、長い間忘れられていた存在でした。痛ましい佇まいであるものの、松方コレクションの存在や、この美術館の設立理由などさまざまなことを気づかせてくれる作品です。

また、常設展スペースで小企画展「調和にむかって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ―大成建設コレクションより」が、版画素描展示室では「新収蔵版画コレクション」が開催されています

そのなかでも、「調和にむかって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ―大成建設コレクションより」は、世界有数のル・コルビュジエのコレクションを所蔵する大成建設の寄託作品を中心に展示されており、画家としてのル・コルビュジエの側面を見ることができる貴重な機会、お見逃しなく!

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ル・コルビュジエ 左《静物》1953年  右《牡牛XVⅢ》1959年
大成建設株式会社所蔵(国立西洋美術館寄託)

ル・コルビュジエのイメージにより近づいた国立西洋美術館、その姿をゆっくりと眺めてみませんか。

国立西洋美術館
常設展
開館時間 9:30~17:30 金・土曜~20:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜(祝休日の場合は、翌平日休館)
観覧料(税込) 一般500円、大学生250円
小企画展「調和にむかって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ―大成建設コレクションより」
会期 2022年4月9日(土)~9月19日(月・祝)
会場 新館1階第1展示室
小企画展「新収蔵版画コレクション展」
会期 2022年4月9日(土)~5月22日(日)
会場 新館2階版画素描展示室
https://www.nmwa.go.jp/jp(外部サイトへリンクします)
問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)

※新型コロナウイルス感染状況により、開館時間・休館日が記載と異なる場合があります。来館時は事前にご確認ください。
※ご自身の体調が優れない場合は、来館を遠慮するなどの配慮をお願いいたします。また、それぞれの感染防止対策等にもご協力ください。

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