2021.04.28彫刻家ノグチの精髄に迫る展示「イサム・ノグチ 発見の道」レポート

20世紀を代表するアーティスト、イサム・ノグチの足跡をたどる展覧会「イサム・ノグチ 発見の道」が8月29日まで開催されています。日本人の父親と米国人の母親を持ち、アイデンティティの葛藤に苦しみながらも、生涯に渡って彫刻を追求してきたノグチはどのような作品を作ってきたのでしょうか?
※東京都の方針により、新型コロナウイルス感染拡大を防止する観点から、「イサム・ノグチ 発見の道」は4月25日より臨時休室。再開時期は未定です。

isamunoguchi_01.jpgイサム・ノグチ《黒い太陽》(1967-69) 国立国際美術館蔵
(C) 2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

この展覧会は、イサム・ノグチが彫刻を始め、独自の石彫に至るまでの長い道のりを3章構成でたどっていくもの。展覧会のタイトル「発見の道」は、イサム・ノグチが晩年に制作した石彫作品《発見の道》にちなんでいます。

isamunoguchi_02.jpgイサム・ノグチ《発見の道》1983-84年 鹿児島県霧島アートの森蔵
(C) 2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

本展の会場を訪れ、最初に目に入るのはイサム・ノグチが30年以上に渡って取り組んできた光の彫刻、「あかり」を使ったインスタレーション。大小150灯の「あかり」を組み合わせ、15分間隔でゆっくりと点滅を繰り返していき、なんとも幻想的。「あかり」は、ノグチが岐阜県を訪れたときに出会った岐阜提灯が発想源となったもので、彼はライフワークとして「あかり」シリーズを200種類以上デザインしたそう。

isamunoguchi_03.jpg第1章の「あかり」インスタレーション

入口の巨大なインスタレーションのほかにも、「あかり」を使ったインスタレーションが展示されています。和紙に通された柔らかい光が会場をやさしく包み込んでいます。

isamunoguchi_04.jpg第2章の「あかり」インスタレーション

展覧会の第1章「彫刻の宇宙」は、1940年代から80年代までの主要な作品を「あかり」のインスタレーションとともに展示します。ゆっくりとした光の点滅により、彫刻の見え方が変わっていくところに注目。

isamunoguchi_05.jpgイサム・ノグチ《化身》 1947年(鋳造1972年) イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵(公益財団法人イサム・ノグチ日本財団に永久貸与)
(C) 2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

続いての第2章「かろみの世界」は、ノグチが作品に取り込もうとした「かろみ(軽み)」に着目した作品が並びます。折り紙にインスパイアされ一枚のアルミ板から作り出された彫刻作品や、鮮やかな色の遊具彫刻の数々は、イサム・ノグチがさまざまな表現に果敢に挑戦していたことを示してくれているよう。

isamunoguchi_06.jpgイサム・ノグチ《リス》 1988年 香川県立ミュージアム蔵
(C) 2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

isamunoguchi_07.jpg参考出品 フリーフォームソファ、フリーフォームオットマン

ちなみに、参考出品されているイサム・ノグチデザインによるフリーフォームソファとオットマンは、おすわりOK。椅子に腰掛け、低い視点から彫刻作品を眺めるのも楽しいですよ。

そして、最終章「石の庭」は、彼が晩年に精力的に取り組んだ石彫の作品が展示されています。ノグチは1964年、香川県牟礼(むれ)町を訪れ石匠の和泉正敏と、当地の名産である庵治(あじ)石と出会い、アトリエを構えました。石の持つ美しさを十二分に引き出せる環境のもと、ノグチは石彫作品に精力的に取り組んでいきます。この章では、これまで彼のアトリエ(イサム家)に設置されていた石彫の一部が初めて美術館で展示されています。

isamunoguchi_08.jpgイサム・ノグチ《無題》 1987 イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵(公益財団法人イサム・ノグチ日本財団に永久貸与)
(C) 2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E371

isamunoguchi_09.pngイサム・ノグチ《ねじれた柱》 1982-84 イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵(公益財団法人イサム・ノグチ日本財団に永久貸与)
(C) 2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

常に"彫刻とは何か"を問い続け、果敢に制作に挑んでいったイサム・ノグチ。展覧会の特設ショップも充実しています。

isamunoguchi_10.jpg庵治石の「ピンブローチ」や「ピアス」2,500円〜(各税込)

こちらは、ノグチが制作に使った庵治石を用いたアクセサリー。一見重そうに見えますが、じつは軽やか。カジュアルにもシックにもまとめられそう。
また、オリジナルのマグカップやノートなども充実しています。

isamunoguchi_11.jpg

「マグ」白・黒2色 各1,650円(税込)

isamunoguchi_12.jpg「ノート」2種類 各990円(税込)

彫刻は絵画と異なり、360度好きな角度から鑑賞できるのが楽しいところ。イサム・ノグチの作品をゆったりとした気持ちで楽しんでみませんか。

イサム・ノグチ 発見の道
会期 2021年4月24日(土)~8月29日(日)
※4月25日より臨時休室。再開時期は未定です。
開室時間  9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
休室日  月曜(ただし7月26日、8月2日、8月9日は開室)
会場 東京都美術館 企画展示室
入場料(税込) 一般1,900円、大学生・専門学校生1,300円、65歳以上1,100円
※オンライン予約にて日時指定券を推奨。当日券の用意はありますが、来場時に予定枚数が終了している場合があります。
※休室期間のチケットをお持ちの方は、展覧会の再開次第、あらためて日時指定が可能になります。展覧会およびチケット販売の再開については、決まり次第、下記展覧会公式サイトでお知らせします。
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト https://isamunoguchi.exhibit.jp/(外部サイトにリンクします)

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