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2020.11.25【横山大観記念館】日本画の巨匠が暮らした邸宅が美術館に

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芸術の秋です。上野には駅周辺以外にもたくさんの美術館があります。この機会にちょっと足を延ばしてみませんか? 今回は、横山大観記念館をご紹介します。

 

 

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横山大観記念館の入口

 

横山大観記念館は上野駅から徒歩8分、不忍池のほとりにあります。美術館の建物は、彼が暮らしていた邸宅をそのまま利用したもの。普通の美術館とは異なり、床の間に軸をかけた状態で作品を鑑賞できるのは、非常に貴重な機会です。

 

建物は木造2階建ての京風数奇屋造の日本家屋で、建築が好きな大観自身が間取りや内装をデザインしました。1919年にこの場所に建てられたましたが、1945年の東京大空襲で消失。現在の建物は、1954年にほぼ同じ形で建て直されたもので、1958年に大観が亡くなるまで創作活動を行っていました。

 

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実際に大観が暮らしていた空間で、彼の作品を鑑賞できる

 

大観は、西洋画の技法を日本画に積極的に取り入れ、画壇に新風を巻き込んだ画家として知られています。その繊細な画風は、ともすればぼんやりと見えることがあるため、「朦朧体(もうろうたい)」と揶揄されることがありました。しかし、画風にあだ名がつけられる画家は、世界を探してもそうそうはいません。つまり、彼の画風はそれだけ強烈なインパクトとオリジナリティがあったということ。現在も大観の作品は根強く愛されています。

 

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「鉦鼓洞(しょうこどう)」と名づけられた客間。かつて横山大観が住んだ茨城県五浦の崖下にあった洞窟の名前から取ったもの

 

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大観が所蔵していた、国の重要文化財にも指定されている不動明王立像。鉦鼓洞の壁に特別に設えられた空間に鎮座している

 

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もとは画室だった2階も展示室に。陽の光が降り注ぐ2階は大観がお気に入りだったそう

 

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2階窓から見える風景。木の向こうにあるのが不忍池

 

館内には、大観の作品や陶磁器、画材などが展示されています。2020年12月25日までは、「大観と旅」というテーマで、大観が旅からインスパイアされた作品や、旅行道具などを展示しています。

 

 

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トランクのステッカーの貼り方や、大切にしていたアイテムなどを見て、画家がどのような人物であったのか推察するのも楽しいですね。

 

そして、記念館の見どころは、大観の作品だけではありません。2017年に旧宅とともに国の史跡および名勝に指定された庭園! 四季折々で表情を変える庭園は、鉦鼓洞や縁側の廊下から堪能できます。

 

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「鉦鼓洞」から見た庭園。四季折々で表情を変える

 

12月上旬からは紅葉シーズンとなり、庭のもみじが赤く色づきます。梅や桜の咲く春先もまた美しい庭になるそう。

 

 

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庭園の解説パネルで、植物の名前もわかる

 

春から秋までは緑に囲まれて見ることができませんが、庭の中央には細川護立侯爵から贈られた、通称「細川石」という巨大な庭石があります。草木が葉を落とし、岩をはっきり見ることができる冬場は石好きの方が訪ねてみえることも多いそうです。

 

にぎやかな上野ですが、この横山大観記念館の周囲はいつも静かで落ち着いた雰囲気。いつものお買い物の合間にのんびり立ち寄ってみてください。

 

 

横山大観記念館
■開館時間 10:00~16:00 ※入館は15:30まで
■休館日 月・火、年末年始、その他臨時休館日あり
■入場料 一般900円/中高生650円/小学生300円
■美術館公式サイト http://taikan.tokyo/(外部サイトにリンクします)

 

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