2016.08.16

Special Interview「上野中央通り商店会と上野の街」

[第5回:上野をつなぐ、新しい試み]

●上野中央通り商店会 会長 中村 明彦さん
●聞き手 佐藤 輝光(松坂屋上野店)

上野の山の文化施設とアメ横、商店会など、多様な個性の集合体として成り立っている街・上野。その上野が一体となって手作りで作り上げていく新たな試みについて、上野中央通り商店会会長の中村明彦さんに伺いました。

 

■山と街の一元化

佐藤:上野は山の文化とアメ横、そして中央通りがあって、弊社も商店会の一員ですが、上野の多様性というものをどう捉えていけばいいのでしょうか。
中村:山と街のギャップがある中で、なかなか的を絞りきれないというのはわかります。でも、それぞれの役割があって、アメ横が中央通りみたいな形態に変わる必要性もないし、中央通りがアメ横や二丁目の飲み屋街になる必要もない。個性のある店が集まっていて、それぞれがその個性を生かしながら、お客様に選択していただくということでいいのだと思います。

上野中央通り商店会ガイドマップ

多面性を持っているのが上野の街で、格調高い文化もあれば、庶民的な面もあり、家族・ファミリー的要素もある。この多様性を商店会としてどのように発信していくのか、そこが絞りきれないだけに難しいところはあると思います。でも、上野の文化施設に来るお客様は全館合わせて年間1千万人以上いるわけで、そのお客様をまっすぐ駅に向かわせたくないんですよ(笑)。
佐藤:ごもっともです(笑)。
中村:駅に行かず、上野の街を回遊してほしい。でも、それをどうやって実現するか。それをずっと考えてきました。山の文化ゾーンと街の一元化というのは、先人の代からの課題であり、上野の悲願ですね。

 

■自分たちで作り上げる、新しい試み

佐藤:2020年の五輪に向けて、海外からの旅行者も増えていくと思いますが、商店会として何か新しい計画や取り組みはありますか。
中村:これまで商店会としての大きなイベント事業は、あまりやってきませんでした。個店ごとに商売が成り立っているし、中央通りの道路幅が広く、東側と西側でお客様の流れが何となく違うことから、なかなか共通の事業というのはできませんでした。

昨年のYOUフェス「ハロウィン」イベント

それを今年、上野が1つになって、10月の開催に向けてハロウィンイベントを企画しています。街の人たちで作るイベントをやろうと私が発案し、上野に来ていただく人たち、外国の方ももちろん、楽しんでもらうための新しい企画です。

他力本願ではなく、自分たちの手で一から作り上げる。もちろんノウハウの足りないところは手伝っていただきますが、自分たちですべて企画するので、商店主の全員参加が基本です。経営者が出られないのであれば、店長さん・営業部長さんに参加していただくという形で進めています。ハロウィンというと、六本木商店街連合会振興組合が手がけているものが有名ですが、たまたま知人を介して理事長とお話をした時に、お店の人たちが参加してすべて手作りで、商店会はリーダー的な役割を果たしているという話を聞いて、それなら私たちにもできそうだなと、昔の青年部時代のエネルギーがふつふつと湧き上がりました(笑)。警察も建設局もすべて許可を取り、上野公園の了承も得て行政対応はすべてクリアしたし、東京文化会館にもOKをもらっています。芸大や世界遺産に指定された西洋美術館も巻き込もうと考えています。

世界遺産記念ピンバッチ販売

上野の街が一体化できる催しということで、今から楽しみです。たまたま酒宴の席で文京区湯島商店会の会長に話をしたら、乗ってきたので声をかけています。
佐藤:すごい規模になりそうですね。
中村:片側1車線の規制も許可を取りました。人数は少なく見積もって1000人としていますが、もっと多くなるだろうと予想しています。
佐藤:ハロウィンだと、パレードの前後の時間で、いろいろできますね。
中村:おっしゃる通りです。開催期間は1週間くらいです、パレードをメインイベントとして、その期間はハロウィン関連でいろいろなことができます。ハロウィンというのは一つの手段であって、街の人が自分たちの力で商店会を盛り上げ、街づくりに関わっているという共通の意識を持ってほしいのです。このイベントが成功すれば、上野はもっとすごい街になると思いますよ。それぞれのお店は体力があるし、意識も高いですからね。
佐藤:ハロウィンイベント、楽しみですね。本日は、ありがとうございました。
(おわり)

 

[第1回:上野中央通り商店会の歩み]
[第2回:行幸道路としての上野中央通り]
[第3回:上野の街づくり]
[第4回:商店会活動と上野の想い出]