2016.07.27

Special Interview「上野中央通り商店会と上野の街」

[第3回:上野の街づくり]

●上野中央通り商店会 会長 中村 明彦さん
●聞き手 佐藤 輝光(松坂屋上野店)

昭和の頃まで路面電車が走っていた、上野。訪れる人に安心して楽しんでもらうため、上野中央通り商店街は、さまざまな工夫と努力によって安全で綺麗な街づくりに取り組んできました。上野の街づくりについて、上野中央通り商店会会長の中村明彦さんに伺いました。

 

 ■路面電車と上野

佐藤:昔の路面電車は、広小路を通っていたんですね。
中村:広小路から精養軒の下、不忍池の弁天様のところを都電が走っていました。昔は、“チンチン”とベルを鳴らしていたので、「チンチン電車」。全国初の歩行者天国が銀座〜上野間で始まったのが昭和45(1970)年ですから、昭和47、8年頃までは走っていたと思います。僕が小さい頃は、路面電車で学校に通っていましたよ(笑)。

佐藤:今、地方都市では復活しているところもあるので、ああいう乗り物があるといいでしょうね。

上野を走っていた都電(路面電車)

中村:都電よりもレール幅が少し狭い次世代の路面電車といわれている「LRT(ライトレールトランジット)」というのがあるので、北千住から町屋まで行っている線を上野に引いてきてはどうか、という話が持ち上がりました。ただ、線路を引いて電気の供給はできるのですが、一方通行にしてバスや自動車との接点をどうするのかということなど、いろいろ課題があって、結局、先に進みませんでした。海外の街に行くと、路面電車が走っていて、いちばん楽ですからね。街のどこを走っているか一目瞭然で。地下鉄だと、街の位置がわからない。日本でも長崎や広島の路面電車は、本数がたくさん出ているのでとても利用しやすい。海外からの旅行客が増えて来ていることを考えると、路面電車の方が喜ばれるんじゃないでしょうか。

佐藤:移動手段というよりは、観光の一部としてあるといいですね。

中村:街の風景を見ながら乗れるので、観光にもなりますしね。タクシーとも違った感覚で街を楽しむことができます。

 

■安全できれいな街として

佐藤:弊社は月に1度、自主的に街の掃除をしようということになって、先日初めて出かけたのですが、“よし拾いに行くぞ”と勢い込んで出たものの、ゴミがない(笑)。びっくりしました。春日通りに入ると、さすがに植え込みなどに捨てられているんですが、結果的に、春日通り担当の班と中央通り担当の班でゴミの量がまったく違いました。中央通りはきれいですね。

上野中央通りの今(夕景)

中村:商店街をお客様に安心して楽しんでもらおうということで防犯カメラを設置したり、毎朝清掃を委託して掃除を徹底したり、安全できれいな街づくりに取り組んでいます。街が汚れていると、怪しい人間が出入りして商売を始めたり、余計、ゴミを捨てられるようになったり、街が荒れてしまいます。だから、まずきれいにしよう、明るくしよう、ということで防犯カメラをつけて、掃除をして、というのが功を奏しています。地元が率先して活動していると、警察や保健所や清掃局なども協力して、一緒になって熱心に取り組んでくれるんですね。街の人たちが一生懸命やっていれば、行政も動く、そういう仕組みづくりというのは心がけています。上野の街の人はみんな共通して熱心に、そういう活動を行っています。それはなぜかというと、やはりお客様に不快感を与えたくないという強い意識・連帯を持っているからです。(つづく)

[第1回:上野中央通り商店会の歩み]
[第2回:行幸道路としての上野中央通り]
[第4回:商店会活動と上野の想い出]
[第5回:上野をつなぐ、新しい試み]